マイナビ (2018-08-31)
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といっても平手で相手のレベルを調整して対局することはなく、相手のレベルを最強の将棋神にしておいて、どの手合までなら勝てるのか挑戦しています。普段は4枚落ちで勝ったり負けたりしているのですが、今回は2枚落ちで勝てたため、それも定跡に頼らない手順で勝ったので(そもそもきちんと学んでないので頼れない)、紹介と反省を兼ねて振り返ります。初めにどのように勝つつもりでいるかを説明しておくと、相手から攻めてこられないように注意しつつ銀冠まで囲い、後はどうにかする!です。

対局時の設定も紹介しておきます。実質無制限の一言で済むような設定なのですが、細かい部分に関して言うとコンピューターは必ず1手に5秒以上かけるようしています。こう設定しておかないと、相手が詰みを読み切った途端1秒もかけずに指すようになるので。また、自分だけ1手300秒で、かつ時間が切れても負けにしないという設定については、迷ったら5分くらいは考えて、それでも分からなければ分からないまま指せばいいかと思っているのでその目安として設定してるだけですね。制限にはなってないです。
初めに棋譜を載せておきます。
次に終局図。ちなみにここからは対局後に激指で棋譜解析したものを載せていきます。
152手で勝っています。こちらの消費時間が32分とあまり時間をかけていないので、もっと時間をかければ反省点は減らせたかもしれませんが、多少雑な部分があっても勝てるという紹介としては逆にいいかもしれません。
まず初手を見てみましょう。

△2二銀ですね。定跡は△6二銀になっています。こちらも定跡を無視し、飛車先を突いて歩を持ち駒にしておきたいので△6二銀の方がありがたいのですが…まあなんにせよ飛車先を突いていきます。
次は5手目の局面。

▲2四歩とはさせてくれないみたいです。ここから▲5六歩▲7八銀▲7九角▲5七角と角を移動させたあとに左美濃に囲う飯島流引き角戦法の手順で進めていきます。
ただ、最終的には銀冠を作るつもりでいるので、5~9筋の歩を突かれたら位をとらせないためにこちらも同じ筋の歩を突いたりして、左美濃囲いからの発展とは異なる手順で組むこともあるかもしれませんが。
次は21手目です。

次の▲5二金右で左美濃の完成です。端歩以外は突かずに左美濃囲いができたので、相手の陣形によっては攻めを考えていくかもしれませんが、この場合は銀冠を完成させてしまいます。ここから囲っていけば相手は上部から攻めていくのは難しいでしょうし、逆に相手が囲いをどれだけ固くしても、こちらが大駒を自由に動かせる状態で銀冠に組めれば十分です。実際このあたりは△5一金△6一金のようにパスしたような手が出てくるんですよね。こちらだけ思い通りに進めていけるいい流れです。
次は39手目です。

銀冠が完成し、攻めを考える局面になりました。相手は穴熊と堅く囲っていますが、形勢は初手から殆ど変わっていません。個人的には初手から1手1手迷いながら進めていくよりも、形勢を維持したままこの形までもっていく方が勝てそうな気がするのですがいかがでしょうか?結果勝っているので悪くはないと思うのですが…まあ紹介と呼べるのはここまでで、後は反省すべき部分などを振り返っていきます。
65手目まで飛びます。

次の▲8一飛成は形勢を悪くしていますね。△6七銀成▲同金は避けられないと思っていたのですが、▲5六に銀を打っておけば△6七銀成▲同銀と取れたのですね。
次は79手目です。

ここも難しかったです。▲7五歩▲7六銀打や▲6九香△5八金▲7八銀打などで自玉を安全にする方法があったのですね。この後攻めばかり考えて、自玉が危険な状態が最後まで続いてしまうのでこの辺で対策を考えるべきでした。
次は111手目です。

ここでも持ち駒を自陣に打っておくべきでしたね。相手の持ち駒が少ない状況だからといって、今後駒の交換がおこるのは確実なのですから事前に守りも考えておかなければいけなかったということでしょう。
次は119手目です。

攻めばかり考えたせいで自陣がスカスカになってます。ここで▲4八馬としたのは9三に効かせたままにしたかったらめですが、疑問手でした。でも難しいですね、やっぱりもっと前に守りの駒を打っておくべきだったかなと思います。
次は123手目です。

ここでの最善手は▲7一成桂とのこと。詰めろであることは分かりますけど、読み筋と違って△同銀の場合どうすればいいのでしょうか。

なるほど、ちゃんと詰みがあるようです…が、いくら時間無制限でもこれを発見できる自信はありません。分かりやすいのは候補手の内、受けになる金打ちでしょうか。一応▲6六歩も攻め駒を減らすつもりで指してはいたんですが。
最後に129手目です。

ここまでくれば勝てそうです、この後は相手の悪あがきに付き合うような流れでした。
そんな訳でタイトル通り、将棋ウォーズ3級が居飛車銀冠で「やねうら王 将棋神(2枚落ち)」に勝利する1例でした。いかがでしたでしょうか。疑問手は数多くありましたが、それは駒がぶつかりあってからの話であって駒組みの間は形勢は悪くなっていませんし、居飛車党の方ならあそこから慎重に指していけば勝てそうだと思えてきませんか?参考になれば幸いです。
ちなみに飯島流引き角戦法は基本的には居飛車側が振り飛車を相手にするときに使う戦法です。いつかこの2冊も紹介したいのですが、私自身駒組みの段階までしか学べていません…